作 品 集




 今月の歌: 第45回(2012年4月18日)
誰かれに                  神川
話さないでと
渡された言葉
花びらのように
胸に散らす

今年の白木蓮は              澤田     
パッ と開いて
パッ と散った
もう少し
咲いていたかったろうに

おやじと呼ばれる             清水
二人の息子が
幼き呼び名に
返事して振り返る
親と子
                   
バナナ一房                 高岡
牛乳二本
ブーケのように野菜を飾り
床を磨いて
君を待つ

人間は誰でも               早川
自分ひとりでは
生きていけない
話し相手を見つけ
これからを生きて行こう

おばあちゃんの味            岩重
もう少し甘かったよ
私の母の料理を
覚えていてくれた
主人の言葉に張り切る

いい匂いのする家へ           片野
吸い込まれそうになる
と言う息子 おっと
息子を取られまいと
包丁を握る
               
桜の木の                 ripple
下に入って
風を待つ
花吹雪を
浴びたくて

とうとう完成した              島田
東京スカイツリー
特徴のない下町だったが
知名度がグンとアップした
わが故里

ロマンスカーで              京子
近くに座った
かしまし娘の
おもしろい話に
耳がダンボに

たんぽぽの                中川
綿毛がふわふわ
飛んでゆくように
私もどこかへとんで
ゆきたい気分になった

あひるの口のような           橋詰
マスクをつけて
大きなメガネで
怪人男女が
街を闊歩する春                     .